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Perio -歯周病-

1986年、ローは、特定の病原菌のみならず、ホストの免疫要素、生物学的因子が関与していることを示唆した。歯周病が全身の健康に関係することが判明し、AAP(米国歯周病学会)はPeriodontal Disease(歯周疾患)をPeriodontal Medicine(歯周病)に正式名称を変更した。歯周病は病気であるので、一つの要素だけが原因になることはなく、心理的、身体的、いろんな要素がからんで発症する。患者さんの態度の悲観度や反応、苦痛の状況を解決できない為に不安感を抱いていると、免疫機能が低下して歯周病などの病気になりややすい状況ができる。内在微生物は、体内でビタミン合成を助けたり、ストレプトコッコス(連鎖球菌)が宿主との間に共存を築くことによって病気を防いだりして歯と歯茎の間に感染してもなんともない人もいるのに、何かの拍子に、体内のヘルぺスを呼び覚まし、嫌気性菌のみならず、真菌、カンジタなどの真菌などが関与して、歯周組織のバリアが弱め、歯周病を悪化させ、全身の病気を誘発することがある。

歯周病が全身の健康に関係することが判明し、AAP(米国歯周病学会)はPeriodontal Disease(歯周疾患)をPeriodontal Medicine(歯周病)に正式名称を変更した。歯周病は病気であるので、一つの要素だけが原因になることはなく、心理的、身体的、いろんな要素がからんで発症する。患者さんの態度の悲観度や反応、苦痛の状況を解決できない為に不安感を抱いていると、免疫機能が低下して歯周病などの病気になりややすい状況ができる。内在微生物は、体内でビタミン合成を助けたり、ストレプトコッコス(連鎖球菌)が宿主との間に共存を築くことによって病気を防いだりして歯と歯茎の間に感染してもなんともない人もいるのに、何かの拍子に、体内のヘルぺスを呼び覚まし、嫌気性菌のみならず、真菌、カンジタなどの真菌などが関与して、歯周組織のバリアが弱め、歯周病を悪化させ、全身の病気を誘発させたりしている人が居る。何が違うのか考えてみたい。

歯周病の原因

1965: Calculus

1965年以前は、歯周病の原因は歯石だと考えられていた。

1965-: Plaque

1965年、ローは、健康な歯学部の学生に、3週間、口腔清掃をさせられなかったその学生の歯面に細菌性プラークが増え、グラム陽性菌から陰性菌が優性になった時点で、歯肉炎が発症していることを見つけた。口腔清掃するとグラム陽性菌に菌性が変わり炎症が消退した。歯周病は、グラム陽性の好気性菌が減少し、グラム陰性菌に増えるというプラークの質が変わることで歯周病が発症するを証明した。

1975-: Specific Plaque

口腔清掃を施行しても好転しない人が存在した。マイケル ニーマンは、嫌気性菌の培養方法を発見し、特異的なバクテリアが病変の発病に関与している事を付き止め、歯周病の原因は、プラーク中の特定の病原菌が起こしていることを発見した。

1986-:Specific Plaque+Host

歯周病の歴史に登場することになるローはリランカのお茶畑の労働者の歯周状態は、11%は健康であり、81%が通常見られるような経度から中程度の歯周炎が見られ、残り8%が重度の歯周炎に罹患していたことから、ホストの抵抗性に問題があることを提起した。つまり、特定の病原菌のみならず、ホストの免疫要素、生物学的因子が関与していることを示唆した。

(Natural History of Periodontal Disease in Man.J.Clin Periodontal,1986)

歯周病発症のメカニズム

プラークが歯と歯ぐきの間にたまると炎症が始まり、歯肉が腫れる。腫れると歯との付着を失い、歯から剥がれる。剥がれると、歯肉に裏側に傷ができ、出血する。この血は、凝固因子によって固まり血餅になり、肉芽組織に変身する。ポケット内に細菌、ウィルスが存在している場合、肉芽組織のままであるが、ポケットのそれが無ければ、結合組織を作る繊維芽細胞が侵入し、結合組織になって治癒に向かう。

Plaque

プラークはオーラルバイオフィルムと云われ、血流に乗り体の様々な部位に運搬される。歯と歯肉の間にグラム陽性菌のプラークが付着すると、密閉され、グラム陰性菌の嫌気性菌が付着する。

矯正装置、不正咬合、充填、修復物はプラークが停滞しやすい環境になり、最終的には、かん菌、球菌等によって複雑な環境に発展する。プラークは、食事、歯の掃除と関係が無く、食べなくとも、口腔清掃しても形成される。

プラーク:1.疾病に関与するものとしないもの、2.歯肉縁上のものと縁下のもの、3.当時、学生だったMichael Nyman(UCLA)歯牙に付着しているものと歯に付着していないものに区別した。

プラークが存在する層をマテリアアルバと云われ、軟組織、硬組織上に薄く形成される。細菌、上皮、白血球細胞等のやわらかい細胞が蓄積したもので、まだ、規則的な構造をしていない。

ラテン語で、プラークとは固まったものという意味であり、固まることによって、その部が密閉され、嫌気性菌が呼び寄せられ、歯周病が発症する。

細菌は3つの方法、1.形態、2.酸素の存在下で生息するかか、3.グラム染色の違いによって分類される。

形態は、球菌、桿菌に分類される。2.歯面に、酸素が存在する好気性条件で生息する菌種が増殖し、プラークの厚みが増すことによって、嫌気性条件が形成され、嫌気性菌が出現し、細菌の菌層の構成が複雑化する。

酸素の存在下で生息するか否かで分類される。好気性(通性嫌気性)菌は、酸素の存在下で生息するが、嫌気性(偏性嫌気性)菌は、酸素の存在下で生息せず、歯肉溝に多く、歯周疾患と関係する。

細菌を3.グラム染色の違いによって分類する方法がある。1884年、クリスチャン グラム(オランダ)は、スライドに塗沫、乾燥、固定した細菌をアニリン色素の一種であるクリスタル緑、またはゲンチアナ緑で定着し、アルコールで脱色、水洗するというグラム染色という方法を考案し、細菌には、染まるグラム陽性菌と染まらないグラム陰性菌があることを示した。

グラム陽性菌は、紫色の色素が残存し濃い紫に染まり、口腔内細菌として、連鎖球菌、ブドウ球菌、乳酸桿菌、放線菌などがある。グラム陰性菌は、紫色の色素が遊離し、脱色してしまうので、観察できなくなるので、さらに、赤色のサフラニン液で染色する必要が出現する。口腔内細菌として、バクテロイデス、ナイセリア、フゾバクテリウム、ベイヨネラなどの菌種がある。

グラム陰性菌には、内毒素が存在し、この物質は、複雑なメカニズムを通して生体に為害作用を及ぼす。プラークでは、好気性グラム陽性桿菌の比率が高く、ほとんどが連鎖球菌である